デザイン

2007年11月18日 (日)

生活スケッチ-48:高層ビル

新宿の町を自転車で走っていると、様々な高層ビルのデザインを見ることができます。

新宿西口に工事中のビルです。

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頂上と地面の近くが細く、中間が膨らんだ形をしており、米粒を巨大にして立てたような形です。

表面には、包帯を巻きつけたような斜めの帯が走っています。

建築工事の前に掲げられていた完成イメージでは、この白い包帯が、建物を支える柱、梁であると思っていたのですが、現在の状況でみると、単なる飾りのように見えます。

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これは、新宿副都心に建っている新宿三井ビルです。

1974年に完成したこのビルの側面には、写真に見えるようなクロスが見えます。

これは、建物の強度を高めるために必要なもので、それをガラスの内側に隠すことは可能なはずですが、あえて見せています。

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このビルは、新宿から少し離れた中野坂上にあるビルですが、斜めのパイプをデザインとして見せています。

1996年に完成したこのビルは、三井ビルから20年の時を経て、複雑な構造計算を可能にするコンピュータの力を借りて、より複雑な形態を示しています。

さて、最初の工事中のビルですが、さらに10年の時を経て、構造技術の進歩は、一見不安定に見える米粒型の形態を可能にしました。

しかし、包帯はいかがなものでしょうか。

竹ひごを組んで造った照明の笠があります。竹ひごが構造体になっています。

このビルは、一見、この竹ひご構造と同じに見えるのに、実際には包帯にしか見えません。

この建物が完成してどのような評価を得るのか、楽しみです。

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2007年10月26日 (金)

生活スケッチ-41:BMW-弐

引き続きBMWの話。

1990年代初頭、ドイツの自動車メーカーは、環境問題の対策として、自動車部品のリサイクル率100%を目指していました。

わたしの記憶では、AUDIは現行A4のフルモデルチェンジを見送り、その開発費を材料リサイクル化のために投資し、BMWは、車内のプラスティック部品をコストダウンし、外部樹脂部分を無塗装として新型3シリーズを販売しました。

わたしもその当時にBMWを買いましたが、確かに金額に比較してチープな素材でしたが、その背景にはリサイクルへ化への投資があることを理解していました。

それから約15年して、日本でも環境問題が本格化し、車検の時にリサイクル税を徴収されことになっています。

わたしは20年近く前に、間接的とはいえ、すでにリサイクルの為に協力していたに係わらず、当時、何の対策も打たなかった日本の自動車メーカーの為に、再度税として協力しなくてはならない。ちょっと納得いかないのです。

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実はBMWの5シリーズを見て、内装の樹脂素材が格段に良くなっているのに気づき、20年近く前のことを思い出しました。

写真はドアになりますが、グリップ及びレバー周辺が本革、その上部が樹脂になっています。

皮の表面の模様と、樹脂の表面の模様が、まったくと言って良いほど同じになっています。

表面の目が同じで、色と反射具合が異なるだけです。見事です。

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この写真はトランク。十分な広さがあります。

世の中のこのクラスの車がV型エンジンに以降する中、BMWは直列6気筒エンジンにこだわってきました。

V型に比べ、直6はエンジンが長くなるため、限られた車の長さの中で、車内の広さを確保するのに不利だと言われてきました。

それでいて、先代と比べ長さが8センチ伸びただけで、この広大なトランクルームと十分な室内空間を確保しています。

最近のメルセデスが、シートを比較的小振りなものにして、見た目の広さを生み出しているのに対し、BMWは以前と変わらないシートで、広さ感を確保しています。

長距離運転ではシートの大きさが、意外と疲れ具合に影響するらしいです。

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メーター周りにもシンプルになっています。

水温計、電圧計の表示が無くなり、エンジンの回転、スピード、燃料の残量、瞬間燃費計だけが残りました。

限られた中に瞬間燃費計を残したところにも、メーカーの環境に対する姿勢が見えます。

最近、日本の車も、経済運転をするとエコ表示がされる車もあるようですが、BMWには20年以上前から燃費計は付いていました。

こうして車を見ていくと、外観のデザインに目を奪われがちですが、その中には、緻密なデザインがあることがわかります。

座って長時間滞在する空間、安全に運転するための操作類、積載量、衝突安全性、色、臭い、インテリアの豪華さ等々。

そうしたものが統合され、一つの車のデザインに凝縮しています。

日本の車は、3、4年でフルモデルチェンジします。また、似た大きさや形状で、名前だけ変えた車がたくさんあります。

3,4年でモデルチェンジすることで、消費者の購買意欲をかきたてる、もしくは、今乗っている車のデザインを陳腐化させることで買い替えの動機付けをする。そうした戦略が背景にあります。

ここ数年、日本国内での自動車の販売台数は、前年割れのマイナス成長になっています。

そうした背景もふまえ、しっかりデザインしたものが増え、しっかり使い込むことでモノを長持ちさせる。

そうした発想に日本は変わってきていると思うし、そうなるべきだと信じています。

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2007年10月25日 (木)

生活スケッチ-40:BMWの壱

昨日、BMWの5シリーズにたっぷり乗る機会がありました。

もともと車が好きなので、ショールームや雑誌でみることはあったのですが、やはり時間をかけて、実際に運転してみると、いろいろなことに気がつきます。

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まず目につくのがセンターコンソール周りのデザイン。

かつてのBMWと言えば、エアコンやオーディオ関係などのボタン類がドライバーの方に向いているのが特徴でしたが、現在は、水平ラインが強調されるデザインに大きく方向転換さています。

中央上部に配置されているのがモニター。

今やナビの画面は必需ですが、従来型のセンターコンソールでは、モニターの位置と空調の吹き出し口が重なってしまうという問題がありました。

そこで、BMWは、水平ラインに空調吹き出しを埋め込み、その高さを従来より若干下げ、モニターをその上に配置したのでした。

そして、もう一つの特徴が、センターコンソールが下に行くに従って座席より離れるデザインです。

その理由は、シフトレバー周辺に理由がありました。

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従来のシフトレバー周辺に比べると、レバー手前に見える丸いダイヤルが増えています。

I-Driveと言われる車のナビ、空調等を、パソコンのマウスのように操作するダイヤルです。

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今までのBMW車では、左手(右ハンドルの場合)を延ばすと、自然とシフトレバーに手が届いていました。

オートマチックと言っても、ギアのアップ、ダウン等を行うことを積極的に操作することを前提としていたため、シフトレバーは運転の自然な姿勢から手の届く位置にあったのです。

ショールームで見ていた時には気づかなかったのですが、このレバーが遠くなっており、I-Driveのダイヤルが、自然に手の届く位置に配置されていました。

センターコンソールが下に行くに従って座席より遠くなる逆”く”の字のデザインは、シフトレバーを従来より前に位置しすことから、必然のデザインであることが解りました。

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そして、シフトレバーにも特徴があります。

従来では、レバーの付け根の部分に R-N-D の表示があり、現在のギアの状態を確認するには、レバーの付け根まで、視線を落とさなくてはなりませんでした。

実際にはレバーの距離を体が覚えていて、どこにポジションしているかは感覚的に解るのですが、レバーが手の届かない位置に移動した結果、目でギアを確認する必要が出たため、その表示が丁度握る部分に移動しているのです。

実は、このレバーは、握るための形状というよりも、ドライバーが自然な姿勢で視線を移動したとき、目に入り易い向きになっています。

そしてその表示は、レバー付け根より高い位置になって。

BMWは、このジョイステック形状のシフトレバーによって、運転中にはシフトレバー操作しないように決めてしまったようです。

そして、それを可能にした背景に、オートマチック制御の進歩があるのです。

以前は、オートマチックと言えども、操作をラフにすると、その操作にダイレクトに車が反応し、運転自体がラフになってしまいました。

ブレーキ操作にしても同様で、車が停車する寸前にブレーキを緩めないと、停車した瞬間に「カックン」と前のめりになりましたが、その部分も制御されているようです。

それと関連するのかどうかは不明ですが、アクセルを放してエンジンブレーキのかかる状態での減速の抵抗が、従来より強くなっているように感じました。

BMWのインテリアは、この世代の車から激変しました。

・視線移動の少ない位置にモニターを配置する。

・車の電気系制御を新しいインターフェイスで行なう。

・シフトレバーが遠く配置される。

・人の行なっていた制御を車が行なう。

その上で、ドライバーを向いていたコクピット式デザインから決別し、水平基調のデザインに方向転換する。

このインテリアは、車の電子化のためのデザインであり、実に論理的で、整合のとれた検証がその背景にあったことが解りました。

ゲルマン人恐るべし!

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